「鳥海山の北麓  2022.10
    
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 鳥海山の北側≒秋田側には、豊富な水にかかわる数々のビューポイントがあります。幾度となく通っていますが、今回もゆっくりと各地を回ってきました。

 前泊の道の駅おがちから移動して道の駅鳥海郷で朝食をいただきます。山道を越え法体の滝を目指して進んでゆきます。

 前夜からの雨も上がって、霧・雲が鳥海山の山頂付近に残るだけになってきました。
 
 湯沢方面から法体の滝へ向かう際には、百宅を経由して行きます。田んぼの中の道を迷いそうになりながら進むのが常でしたが、今回は以前と様子が違います。
 民家が以前見えたあたりに来ても、無くなっていて、よく見ると家の基礎だけが残っているところがありました。まるで震災・津波直後に上部を流されて残った建物の基礎みたいです。(例えが良くなくてすみませんが正直な感想です)
 少し進むと工事車両や建設中の構造物が増えてきました。道路の迂回・交差部分に設置される物もあります。
 現場事務所やダム本体設置に繋がる山の斜面に構造物が設置されていたりします。 このあたりでは鳥海ダムが建設が進んでいるのでした。
 秋田県内では栗駒山麓の東成瀬にも巨大ダムが建設中ですが、出来上がる過程を時々眺めるのも楽しいものです。
 法体の滝が近づくと、広く草を刈った所があり、弘法平というところらしいです。近くでキノコ採りの軽トラックが止まっていたりしますが、一角の小川を渡ると弘法洞穴があり、信仰の対象となっているようでした。
 法体の滝園地には無料のキャンプ場があり、数組がテントを広げています。利用申請も必要なく、広々としているのでのんびりここで過ごすのも良いかもしれません。
 滝に近い方に歩いてゆくと、トノサマバッタが居ました。数回飛び立っては数メートル先に着地を繰り返し、そのたびに追いかけてやっと捕まえることが出来ました。
 以前には立派な建物の売店があっておでんが美味しかったのですが雪で損壊したらしく、現在はプレハブの季節営業で、この時間でまだ営業していませんでした。
 肝心の法体の滝の間近へ行ってみたかったのですが、対岸へ渡る橋の塗装工事中でかないませんでした。
 ここからは北西方向に進み、鳥海山麓の水力発電資源(沢水)の取水施設の見学を目指します。 
 鳥海山はさっきより上部に雲がかかってきました。
 鳥海山北麓の地形図を細かく眺めていると、いたる所に取水堰や暗渠導水路があるのが見えます。 そしてそこへ監視・管理に行き来する人のための道があります。目立たない所に入り口があるので注意して分け入ってみます。
 右の地形図(クリックで広範囲リンク)の+印から右の方に進んで沢を渡ります。沢の部分にはヒューム管を埋めた橋が架かっていて、出水時には沈下橋になるものと思われます。対岸を少し遡上してみると取水堰がありました。

 ここへ下る道は砂利や土の道路で傾斜もありますので、下りながら帰路にも対応できそうか見極めて進みます。クロカン4駆であれば問題ないのですが、当方は3t近い重量のキャンピングカーです。4駆であることだけが強みですが、ドキドキしながら進みした。

 取水の水系は、左下の水面から暗渠水路でこのダムまで引いて、さらにその先の別の沢筋に導水しているようです。
 小さなダム状の水面が広がっていて、本流のほぼ全量を堰き止めて、人工の導水路に引き込んでいます。本流の堰より下流にはほとんど流れていません。
 付近には監視小屋か道具小屋か休憩所か制御装置収納建屋など多目的と思われる高床式の小屋があります。多分積雪時にも埋没しないようにこのような階段を上がる構造になっているものと思われます。
 こんなところまでキャンピングカーがやってきたのは初めてではないでしょうか。
 さらに北上して別の取水設備にやってきました。先ほどよりも大規模で柵もしっかり張り巡らされています。一応柵の内側には侵入しないように配慮して外側から各設備を見学します。
 この場所は三叉路になっていて、鳥海山の登山口と法体の滝百宅方面と麓の間で見学中にも何台かの車が通過しました。
 地形図を見ていて、少し周囲と変わった所の一つとして湿原記号があります。こちらの湿原も気になったので立ち寄ってみました。なぜか近くに舗装された広大な駐車場もあります。
 見通せる場所をなんとか探して湿原の一部を覗いてみましたが、どうやらススキ野原だけという感じなので踏破はやめにしました。
 

 鳥海山のいくつかある登山道の一つ、祓川コースの入り口に竜ケ原湿原があります。広い駐車場とトイレ、近くにキャンプ場もあります。見晴らしの良い高原にあるのでPキャン目的で来るのもいいかもしれません。湿原の好きな季節はやはりワタスゲや周辺のレンゲツツジが咲くころだと思うので、秋の草紅葉の頃は物悲しくなり、早く来年の雪解けが来ないかと感じてしまいます。

 観光地には大抵案内板があって勉強になります。この立体地形図も秀逸です。右下の法体の滝から中央の竜が原湿原までやってきましたが、この他に桑ノ木台湿原(My Youtube空撮へリンク)や獅子が鼻湿原も載っていて、湿原好きの私としては嬉しく、後者はこのあと訪問します
 湿原の入り口に祓川ヒュッテという建物があって、発電機が回っているので少なくても昼は常駐しているのかと思いますが、宿泊等については不明です。
 
 湿原を周回する散策路があるので歩いてみます。反時計回りだと最初の方に展望台がありますので立ち寄って仁賀保・矢島方面を眺めます。この後行く仁賀保高原の風車群が望まれます。30年以上前から(風車が立つ前から)この高原には通っていますが現在大部分の風車が改築予定で工事中の物が多くありました。海原や客船も見えます。
 竜が原湿原の周回は2回目のはずですが、前回の記憶があまりありません。今回の感想としては歩道は低木の間だけを通り、湿原の木道を歩くのは登山道の区間だけで、その他の区間では95%で湿原が見えません。なのでオトクな散策としては反時計回り最初の方の展望台から引き返して、登山道を木道で垢離の池(下写真)まで往復するのがよいかと思います。
 ←図クリックで写真
 登山口駐車場から眺めると(下写真)、キャンプ場の管理棟と、混雑時の第二駐車場でしょうか、広場があります。そこを通って次は善神沼へ向かいます。
 善神沼は地図で見て存在は知っていましたが、畔まで行けないものと思っていました。でも通りすがりに注意してみると小さな看板と歩道の入り口らしき所が2・3か所あります。早速降りてみます。
 ぽっかりと静かな水面が広がっていて、訪れる人も少なく安らげます。欲を言えば平坦な休憩スポットがあればもう少し眺めていたいところです。
 次に目指すスポットは、獅子が鼻湿原なのですが、何か月か前の大雨の影響で最短ルート(左図)は通行止めとなっていて、一度仁賀保高原・冬師のあたりまで下りてゆく必要があります。
 仁賀保高原に来るとよく立ち寄るのが土田牧場です。いつものジャージーカントリー(ソフトクリームとヨーグルトのミックス:右上写真)と、多分初めて食べるチーズトースト・ミルクセットを注文して、外売り場のソーセージも買ってきていただきます。価格も高いのですがおいしくて満足です。
 外の休憩デッキからはジャージー種の牛さんがたくさん見えます。乳量は多くないけど味わいのある乳製品には欠かせない牛のようです。でも、各種の家畜でよく行われる品種改良で、美味しい牛乳を沢山搾る牛さんはできないものでしょうか?もっと欲を言えば牛肉としても美味しくて、成長が早くて、粗末な食糧で育って… きりがないですね。関係者の皆様よろしくお願いします。
 仁賀保高原の最高地点にあるひばり荘に来ました。こちらの駐車場でPキャンさせていただくことも多いのですが、そのすぐそばに立っていた風車はこの時点で解体されて無くなっていました(下写真)。近く又は同所に建て替えられるようです。各所の風車には旧番号と新番号を表示してありました。

 ひばり荘の展望台には地形の解説板もあります。日本海や鳥海山など全周を見渡せるので気持ちの良いひと時を過ごすことが出来ます。この時点では鳥海山は雲の中に入ってしまいました。(下写真) かつては二人乗りの貸自転車や眺望の良いキャンプ場でにぎわったのですが、現在はあまり利用されていないようです。もったいないです。でもお勧めです。
 このあと一度中腹まで下って、獅子が鼻湿原を目指します。

 鳥海山の祓川(矢島)登山口から大きく迂回をして、中島台レクリエーションの森に来ました。夕刻が近いので駐車場は空いてきていますが、まだこれから散策に向かう人たちもいます。一応出発は15時までと掲示されています。
 橋を渡ったり渓流に沿ったりしながら樹林の中の木道を気持ちよく歩いて、いつものコースを巡ります。あがりこ大王はいつものとおりどっしり構えています。
 この樹も森の巨人たち100選の一つですが、初夏に見た白神山地の同選である400年ブナは残念ならが倒れてしまっていました。どちらもブナの木ですが、ほぼ直立であった400年ブナに較べて、あがりこ大王は用材として何度となく枝や幹を伐採されて若返りながらこのような樹形になったものと思われます。300年以上の樹齢と推定されていますが、まだしばらく頑張ってほしいものです
  その先もいつものように、湧水の出つぼ(右写真)、発電用の取水設備(下写真)、鳥海まりも、あがりこ女王と巡ります。
 いつもは春から夏の水量の多い時期に来ることが多かったのですが今回は少し水量が少なく、あったはずの流れが確認できない所もありました。満足して戻った後は、アイスをいただいて少し休憩し、道の駅 象潟ねむの丘に向かいます。
 獅子が鼻湿原とあがりこ大王についてYoutubeにアップしましたので右画像クリックしてご覧ください。
 

 鳥海山の中腹から海辺の道の駅 ねむの丘に向けて下ってゆくと、先の道路よりも高い所に水平線が見え、その一部を遮るように飛島が浮かんでいます。飛島は山形県酒田市ですが位置的には秋田県の沖にあります。ちょうど手前の海峡を貨物船が横切ってゆくところです

 ねむの丘では前回まではコロナ対策で地元の人以外は入浴禁止だったのですが、今回は規制は無いようです。でもJAF割引が終了していました。それでもこちらの展望浴場から望む夕日は最高です。
 Pキャンの位置は、少し前までは「第3駐車場」と看板が立っていた北側の海辺で、車中から海も見える場所が主でした。夕刻になると昼の勤務を終えた従業員の人が止めてあった車に乗って帰るので、空いた所を利用していました。でも、その後同所には「従業員用駐車場」との表示がされるようになりましたので、別のところを探しました。
 南側の道路沿いです。本館・トイレ棟からは遠くなるのですが「にかほっと」というお店が入った別棟が数年前にできましたのでその向かいのあたりです。にかほっとは19時に閉まりますので、その前にトイレに行って外部トイレの使用は終わりにします。道路に近いのですが、間に土塁が高くなった所があり、その背後だとあまりうるさくありません。駐車車両の密度も低くて快適です。
  

 鳥海山の北麓、最終日は元滝伏流水・奈曽の白滝・石沢峡へ向かいます。

 元滝へはこれまで直近の林間駐車場から歩いていましたが、手前の舗装された駐車場に車を置いて、導水路に沿って初めてのアプローチコースです。駐車場には立派なトイレも整備されて利用しやすくなっていました。元滝の動画はこちらからご覧ください
 奈曽の白滝は2回目なのですが、遊歩道の入り口を見落として逆回りとなりました。
動画はこちらからご覧ください。
 石沢峡は鳥海山麓から少し離れていますが、意外な穴場です。一応駐車場にはトイレもあり、案内板もあります。
動画はこちらからご覧ください。

 遊歩道は滝の手前で行き止まり… なのですが、戻る途中によく見ると高巻きするための階段があり(下写真)、多分滝の上部遊歩道へ続いているものと思います(右写真)。やや土砂の堆積もあり、危なそうなので今回は割愛しました。

 鳥海山北麓には、興味のある所がたくさんありますのでこれからも時々訪れる予定です。